音の葉おれんじ

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zoom RSS フェアリーテイル・レクイエム プレイ感想

<<   作成日時 : 2017/07/01 01:12   >>

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大石竜子さんの素敵イラストと世界観に惹かれて購入!


※男性向けR-18作品です。





胸くそ悪い要素がたくさんあると聞き、ちょっと腰が引けて二の足踏んでたんですが…とうとう買ってしまいました。

(わりと本気で辛かったので、やたら「胸くそ悪い」を多用しちゃってますが何卒ご容赦ください)

自分を物語の主人公だと思い込んでしまう人格障害「お伽噺症候群(フェアリーテイルシンドローム)」である少年少女が織り成す、甘くて無慈悲なおとぎ話です。

ある日、真っ白な部屋で目覚めた少年は記憶の全てをなくしていました。途方にくれるなか、ここがお伽噺症候群の療治施設「通称:楽園」であり、彼自身も患者であると知らされます。

自分は何者なのか、何故ここにいたのか…何一つおぼえていないからっぽな自分を持て余した彼は、同じく治療中である女の子達と交流を深めながら記憶の手がかりを探しはじめます。

「聖書」と呼ばれる童話絵本を常に携帯し、筋書きどおりのヒロインを演じる彼女達の言動はとてもあやふやで危ういものでしたが…少年は、演じる役柄さえもたない今の自分よりよほど幸せではないかと、ほんの少し羨ましさをおぼえるのでした。

そんななか、彼は自室で見つけたスケッチブックに奇妙な落書きがあることに気が付きます。

「みんなのなかにひとり、つみびとがいる」「つみびとのつみはひとごろし」「にげな き ゃ」



うん、この作品、なんというか…世界観が私の趣味嗜好に合致しすぎて最高かな。

幼少時から本を読むのが好きだったので、童話モチーフの作品ってだけで心が躍るわけですが。ビジュアルも音楽もシナリオもすごく良い…!MAP画面とか立ち絵が可愛すぎて、眺めてるだけでニヤニヤできるんですよー。元ネタになった童話が図書館で読めるようになってるのも素晴らしい!

会話が通じないサイコホラーなキャラばかりで気が滅入るやつかな?とか思っていたのに、ヒロイン達はとても個性あふれる魅力的な女の子ばかりで、痛ましいはずのごっこ遊びもまるで良くできたお芝居のようで見ててちっとも飽きません。

彼女達が抱えている心の傷が各童話と見事にマッチしている上に、それぞれがまとう衣装や部屋の装飾も凝っているので、本当に物語から抜け出してきたのかと錯覚しそうになって、なんだかすごくワクワクしました。

そして、主人公の少年の物腰穏やかで幸が薄そうな風情がとても良い感じでした。

大人しく従順なので個性は薄めですが、それが彼なりの処世術なだけで「一見手がかからない子だけど、それなりには小賢しい」という程よいバランスでキャラは立っていました。自己評価が低いゆえに慎重で臆病だけれど、子供らしい潔癖さや繊細な優しさがちゃんとあって世界観にみごとにマッチしていました。

いかにもカイやヘンゼルが似合いそうな美少年で、ヒロイン達と並んでも違和感ないのも素晴らしいです。唯一の顔ありサブキャラであるイケメン青年医師「イケノさん」とあわせて眼福!(笑)

そんなキラキラ具合に反比例して、モブである医師の皆さんはキモさがヤバい。ゾンビかなにかのようなおどろおどろしい土気色した外見な上に、顔にモザイクかかってらっしゃる。美しい世界観とのギャップが酷すぎて余計に不気味でした。あ、これ、まともな診療とか期待したら駄目なやつだ。

そんな、ヤバそうな匂いしかしない隔離された精神病棟内で「自分の記憶」と「殺人犯」を探さなきゃいけないとか…なんだこの難易度が高すぎる無茶ぶりミステリー!めちゃくちゃ心が躍るじゃないですか!!(おい)

天真爛漫で企みごととは無縁に思えるはちゃめちゃなビックリ箱のような少女「アリス」

大人しくて人見知りだけれど幼げで可愛らしい「グレーテル」

塔の上で憂いた表情で王子の来訪を待つ蟲惑的な雰囲気の「ラプンツェル」

悪役そのものな残忍さを隠そうともしない苛烈な「オディール」、まさにお姫様といった風情の可憐で無垢な「オデット」

唯一、自分は物語の主人公ではないと頑なに主張し続ける理知的な少女「ゲルダ」

…疑いたくもないのにヒロイン全員がそれぞれ怪しすぎる。そもそも少年自身もかなり怪しいし、青年医師「イケノさん」も怪しい。化け物さながらなモブ医師達は言わずもがな。

診療時に処方されるお薬がドーナツやチョコレートだったり、少年の自室に脈絡なく鳩時計モニターが現れてヤバい映像が流れたり、空想の世界を漂ってるはずのヒロイン達がふと正気にもどったかのような意味深な言葉をもらしたり。

目に映るもの、耳に入ってくるもの全てが信頼できる情報なのかさっぱり判断がつかないわけで…

わー、なにこれ面白い!楽しーい!!!

…そんな感じで、あまりも素敵すぎる世界観やシナリオ構成に心奪われまくって浮かれてしまい、あれほど胸くそ悪いと聞いていたR要素への警戒をすっかり忘れていた自分をちょっと殴りたくなりました。

プレイ前はヤバそうな場面は強制スキップで乗り切ろうと思ってたのに、大石竜子さんのイラスト好きすぎる&シナリオが面白すぎたゆえに、自衛するの忘れて物語に没入しちゃってもろにダメージくらいました…(馬鹿)

いやー…モブ医師の皆様による性的搾取、ガチで胸くそ悪かったです。治療施設とは名ばかり…なのは最初からお察しだったのですが。まさか、問題を抱えて寄る辺がない女の子達を洗脳して食い物にするだけの非合法すぎる娼館だったとは。

医師達の罪を訴えようにも「妄言」としてあしらわれ、外部にはけして漏れないよう秘密裏に処理されてしまう。誰も助けてくれないし絶対に逃げられない。そして、逃げたところで帰る場所も守ってくれる人もいないという心の奥底に刻まれた過去が、少女達から抵抗する気力すら奪っていく。

なにこれしんどいつらい。

王子様を名乗るモブ達にラプンツェルやオデットが入れ替わり立ち代り…くらいまでは流せたんですけど(アリスも表面上嫌がってなかったので、ギリギリセーフ)でも、グレーテルとかゲルダはマジでやめてさしあげて下さいと懇願するレベルで吐き気がしました。

1キャラ攻略しただけでは全容は見えず、彼女達の過去も多少は語られるもののぼかされているし、現実から逃避する選択の方が何故かハッピーエンド扱いだったり。何で彼女達がここまで酷い目に合わなくてはならないのかと、困惑と憤りを抱いていたんですが…

本来、酷い目に合わせるのが目的の収容施設(むしろ牢獄)に目隠しされた状態で放り込まれてる状態なわけで…現実に目を向けた時点で詰むしかなかったんですね。

なるほど、そりゃまだしも現実逃避した方が幸せな結末に見えるわ!

…と納得したあと、あまりの胸くそ悪さと救いのなさに泣きたくなりました。設定もシナリオ構成も秀逸でたしかに面白いんですが…あまりに救いがなさすぎる。そして、先の展開が全く読めない。

ゲルダルートまで終わった後はかなり精神的疲労でぐったりしてたんですが。直後に生霊と亡霊による仮想世界リセットという超展開ルートが開放されていて、のけぞりました。


は…え?ナニソレ。


いや、あの惨劇をあくまで起こり得る可能性にとどめてくれたのには心底ホッとしたけど…え、…え?いや確かに、恨みつのって怨霊の一人や二人化けて出てもおかしくないけど…え??(しつこい)

すみませーん。ようやく少年の過去も判明し、つみびとが誰かの犯人指名ができるようになったんですけどー。現状があまりにヤバすぎて罪も記憶も過去も、わりとどうでもいいでーす。

真面目な話、今さらヒロインの誰かが人を一人殺してたくらいでは驚けないですよこれ。むしろ心の平穏と身の安全を確保するために、皆で協力して職員を全員殺す方向でOKだと思う!!殺さなければ殺される。

…とか物騒なこと考えながら適当に犯人選んだら、少年がいきなりピーターパンになって本当にジェノサイド革命起こして楽園一掃しちゃいました(笑)提案しといてなんだけど、これありなのか…!?

いや、ある意味お伽噺症候群という設定を最大限活かしてるし有りか(納得)少年が医師達から押し付けられた物語である「ピーターパン」を拒み続けていた理由や、アリスがティンカーベルに、ゲルダがウェンディに役柄を変えたくだりは良くできてるなーと感心しました。

いかにもお伽噺めいた結末ではあったのですが…偽りの世界で生きるしかない彼らを思うと、やりきれない気持ちになりました。

正解ルートでは、あんなに惨い現実を散々こちらに突きつけておいて、やたら超展開ファンタジーな方法で楽園から脱出したんですが…えーっと…ナンダコレ?

現実に目を向けて立ち向かう事を選んだのなら、もう少しそれに則った現実的な解決方法であの下種×クズのあわせ技MIXな大人たちをボコボコに粛清して欲しかった気もするのですが…これはこれでいかにも「お伽噺の終わり」っぽくて良いのかもですね。

でもやっぱり、イケノさんと黒い少女の正体とか(めっちゃくちゃビックリしたけど)少年の妹のエピソードはちょっと駆け足すぎて掘り下げ足りなかったかな…。亡霊と生霊チートすぎる(笑)

それはさておき、崩壊した楽園を後に大人になった彼らが順に訪れ、被害にあった患者や過去の自分達を悼みつつ埋葬するかのように花を供えたあの結末はとても好きです。たしかに「フェアリーテイル・レクイエム」だなと思いました。

一緒にいた懐妊寸前の奥さんは…ゲルダであってるのかな。他のヒロイン達はもちろん、その後のイケノさんやドロシーの動向が大変気になります。

彼は、本当に何も知らなかったんですね…それはそれで罪深いとは思うのですが、正直こいつが黒幕なのではと疑ってすみませんでした(平伏)



〜総評〜

終わってみると、IF設定に助けられて多少は緩和されたんですが。噂に違わぬ胸くそぷりでした。


お伽噺になぞらえた、美しく楽しい空想と歪みのモラトリアム…と見せかけ、吐き気を催すような醜悪で残酷な現実を突きつけてくるので、そのギャップが本当に耐え難い。全てひっくるめてこの作品の魅力なわけですが。あんなにふんわりした終わり方なら、もうちょっとぼかしといてくれても全然よかったよ…!?

肝心の(?)少年とヒロインのRシーンがわりと蛇足なのも残念でした。

特にレクイエム(解答編?)ルートのゲルダな。あまりに雑すぎて甘さも感動も余韻もなにもなかった!他にいくらでもやりようがあったと思うので大変遺憾です!!

あ、でもラプンツェルとオディールのアレは大いに有りかと。

個人的な好みとしては、エロ部分はごそっと削ってもうちょっとミステリー謎解き要素を強化しといてくれたらさらに最高だったかなあ…

(いや、失礼しました)男性向けR18作品プレイしといて何言ってんだって話ですよね。ちょっと同社のスチームパンクシリーズみたいなノリを求めすぎました。

童心に帰ってお伽噺をワクワクしながら読み進めていたら、途中のページにアダルト画像が!くらいの生々しさだったので、そのギャップが余計に衝撃が大きかったのかもです。

個別ルート感想は省略しますが…(胸くそ要素が絡むせいで集中できなかった部分はあれど、どのキャラも童話になぞらえた「それらしさ」があって秀逸だったと思います。

ゲルダさんが間違いなく正ヒロイン!!なんですが、アリスとの砂糖菓子を詰め込んだようなキラキラした恋愛とか、オディールとの愛憎溢れるサスペンスホラーな恋愛(?)の方が見てて楽しかったです。

本来の記憶を取り戻した彼はもちろんゲルダと幸せになるべきなのですが。僅差でアリスといる時の彼の方が好きかなあ…あの「恋に落ちる重み」のエピソードが秀逸すぎて惚れました(笑)

ゲルダがあまりに聡明で勇敢だったので、恋する女の子…というより、もっと切実でひたむきなヒーローっぽさの方が大幅に上回ってたような気がします。少年自身も妹が「支え守るべきもの」でゲルダは「手の届かない憧れとひとときの癒し」みたいな感じで、恋愛は二の次三の次なノリだったみたいだし。

深い絆と信頼で結ばれた関係ではあるのはじゅぶん伝わったんですが、あまり恋愛関係っぽくはなかったような。それはそれでとても素敵なんですけどね。

(シナリオ上の構成上、仕方なかったのは承知の上で)元から恋仲であった二人が顔を合わせてるのに、互いに反応が薄すぎたかのが原因かもなあ…少年が色恋沙汰そっちのけでやたら妹に固執してるので、途中まではゲルダは彼の妹なのかと予想してたくらいです(笑)

というか、ゲルダさん本気でとばっちりすぎるから!無事に少年と一緒に脱出できて本当に良かった。


さて、FDもセットで購入してあるので続けてプレイしてきます!胸くそ悪い要素はどのくらいあるのでしょうか…正直、モブ医師どもがフィーバーするところはもう見たくない。







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