徒花異譚 感想

ライアーソフトさんの新作和風ノベルADV です!

しかも、製作スタッフはフェアリーテイルレクイエムのメンバー。

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「購入以外の選択肢ないから、諭吉さん用意しときますね!!」と笑顔でクレジットカード素振りしながら発売待機しようとしたんですが…

ん、全年齢??…なにこのあり得ないロープライス!?嘘でしょ!?五本くらい買えと??※ダウンロード専売なので無理です

どうやら、アニプレックスさん主導の企画であり、黎明期に近いノベルゲーム界の新機軸を目指してるそうで…さらに期待が高まりました。

~ネタバレほぼ無しの雑感と総評~

記憶を失くした少女と、それを護り支える謎の少年。虫食いになって歪んだお伽草子を修復する使命を帯びた二人が、物語世界を渡り歩いて紡いでいく儚く美しい冒険譚。

あああ…なにこの最上級の素材を一流シェフが調理して懐石料理にしました、みたいなご馳走感…こんなの、絶対好きに決まってる…  

ノベルゲーム好きな皆ー!二千円未満で買える至福が出たよー!!って走り回りながら喧伝しまくりたい!!(座れ)

ただ、やはり万人受けするタイプの作風では無いので…

あらすじや公式ムービーを見ても特に心が踊らない人、「物語に触れるというのは、想像の中でもう1つの人生を送るようなものだから」とか言われて「は???」ってなる人にはオススメしかねるかもです。

(あと、複数キャラとの恋愛攻略を楽しみたい人もダメかと。明らかにジャンル違いです)

比喩表現が多用されている地の文とか、主役二名の内省的でとりとめのない会話とか、誰もが知るお伽草子をなぞっていく行程とか…

その道筋は純粋に楽しくて美しいのですが、合わない人には退屈な睡眠導入剤になりかねない気がします。


私は上下運動激しめの赤べこ人形みたいな勢いでカクカク頷きながら「わっかるー!物語が与えてくれる何かis最高!!」「えっ、しかもボーイミーツガール要素まで?ありがとうございます!!」

…ってなる根っからの物語オタクなので、徹頭徹尾余すことなく楽しめました。

筆で敵を討伐してそこから生じた墨で物語を書き換える…ってもう浪漫の塊ですよね。

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大石さんの美麗なイラストと演出も相まって、なんだか大神を思い出しました。
(無関係な作品を引き合いに出してすみません)

音楽、ビジュアル、テキスト…どれもため息が出るほど美しく、それぞれが見事な融和を果たしている高品質なノベルゲームだと思います。

プロローグ+全四章+エピローグ…という短めの構成でエンディングは三種類。

プレイ時間は長く見積もってもおそらく10 時間程度なのですが、足りないものも余分なものも何一つないと思えるくらいの満足感がありました。

後述で詳しく語っちゃうんですが、このゲームの選択肢、各章に二ヶ所程度しか無いんですけど…「そこで何を選ぶか」にとても大切な意味があるし、ストーリーに影響を与える比率が大きい。


随所にノベルゲームはこうであって欲しい…という理想と魅力がたくさん詰まっていて、心が震えました。

本当にとても素敵な良作なので、どうかたくさんの人にプレイしてもらえますように!

徒花異譚ほんとものすごく良かったー!!


~システム関連の雑感~

ダウンロード専売でパッケージ販売なし、steamはPC 限定、DMM はブラウザ版(対応機種のスマホとWi-Fiさえあればダウンロード不要でプレイ可能)が一緒についてきます。

※後日、初回限定版サントラにおまけ同梱という形でディスクも販売予定らしいです。

私は利便性を優先してスマホ(Android)でプレイしたんですが…

·スマホ画面の小ささによる美麗イラストの多少のつぶれ

·極まれに台詞の音飛び

·少し進めた時点で背景がアニプレックスロゴになる台無しバグ発生

(ただし、ダメ元で最初からプレイし直したら以降は二度と発生しませんでした)

·セーブを筆頭にコンフィグ関連のアイコンが小さくてやや弄りづらい

…など、多少の不便は感じましたが、ほぼ問題なく遊べました。

とはいえ、ブラウザ対応はβ版ゆえに動作環境サポート外&予告なく配信終了する可能性も無くはない…との事なので、PC 版をプレイできる環境にあるならそちらの方がオススメかもですね。

クイックセーブとか履歴からの巻き戻しロードはあるので、プレイするのにさほど不自由はないかと。

あと、個人的に嬉しかったポイント。

このゲーム、台詞以降のテキストを先送りしても、喋ってるボイスが飛びません!文章読み先行しつつ台詞も聞けちゃう!

いつも、テキスト読み終わった時点で待ちきれずにボイスキャンセルするマンなので、後追いで台詞音声が追っかけて来てくれるのすごい良かった。

もしそれを意図しての設計なら心底ありがとうございます…

~ネタバレまみれのプレイ感想~

※熱が冷めやらぬ状態でまとめたせいで、リアルタイム実況に近いグダグダ形式になっております。

夜闇を走る列車内で、謎の男性が通りすがりの旅客相手に語り部をはじめる場面からスタートするプロローグ。

そして、夜の森を記憶のない状態でさ迷う美しい少女。

恐ろしい化け物に襲われる彼女の元に駆けつけた、凛とした佇まいの謎の少年。

あまりに無垢で感情すらやや希薄な少女に手を差しのべた少年は、自分達は物語を修復する使命を持つ旧知の仲なのだと告げ、お伽草子の世界へと誘っていく。

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…はい、もう好きー!!!手元の机「ドコドコズダダダダァン!!」ってゴリラドラムする勢いでこういうの大好きー!!(うるさい)
 
…失礼しました。

さらっと暴露されたけど、黒筆くん曰く自分たちも絵物語の登場人物の一人だそうで。

え、そこ最初から自覚あって堂々と申告しちゃうんだ??と少し驚きました。

こういう、何もかもが作り話の虚構なんだよ!な設定、私はしたり顔で後出し暴露されると一気に冷めちゃう事があるんですが…(類似ケース:夢オチ)

むしろ最初に提示された事で、話の解釈にミスリードが起きそうな気がして無性にワクワクしました。

何よりも、白姫ちゃんと黒筆君の性格と関係性がとても可愛いしときめくー!!

黒筆君の寡黙クールで大人びてるのに、たまに少年らしい闊達さを見せるところとか、白姫ちゃんの育ちの良さを感じる知的で凛とした優しさとか…とても魅力的な主人公だと思います。

「物語」をこよなく愛していて、お伽草子を修復する使命にとても真摯なところに好感が抱けるし、互いが互いを信頼して慈しんでる感じとか見てるだけでニコニコしてしまう…

声優さんの声質と演技がまたピッタリ嵌まってて素晴らしいのですよ。

例え泡沫の存在であろうと、どうか、二人の旅路の末に待つ何かが優しいものでありますように…と祈りたくなるくらいバッチリ感情移入できました。
 


花さかじいさんの章:

んん?おじいさんは黒筆達とはすでに知り合い(白姫のみ記憶欠如で初対面扱い)で、自分が物語の人物であることも理解してるんだ…へー??

話が早くて助かるし、そういうものかと納得は出来るけど、やっぱり不思議。そこに何か意味がありそうな気はするけど…いや、ないのか…??

さておき、私が知ってる花さかじいさんって、絵的には映えるもののシロが(残酷表現)な目に遭うのが理不尽かつ可哀想すぎて、あまり好きじゃないんですよね…

たまにマイルドに改編しすきて、お隣のお爺さんに怒られただけでショック死してるパターンとかもあったけど、あれはあれで「いや、シロいくら何でもメンタル弱すぎんか??」ってなってシュールだし…

この理不尽な筋書きを何度も繰り返してるおじいさんが徒花荒らしになってしまっても、少しもおかしくない。

同じ目に合ったら私も病むし狂いたくなるなあ…と思いながら読み進めていました。

しかし、本当にイラスト綺麗だなー。お話の登場人物を闇堕ちさせて筋書きを歪めてしまう「徒花荒らし」とか、醜悪でおどろおどろしいのですが…そのおぞましさすら美しく感じる…
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※あ、その先駆けとなる紙魚(しみ)は目がキョロキョロしてて可愛いらしいです。 
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どうやら、花さかじいさんは諦めてしまったらしく…物語は本来の筋書きから逸れたまま終幕。

自ら喀血した血を墨に変え、せめておじいさんが心安らかに過ごせるように無理に物語を書き換える白姫が痛々しかったです。

仕方ないけど、なんだかスッキリしない…

というか、やはりこれ、回想に出てきた少女が現実世界にいて、白姫は彼女をモデルに作られたとかなのかな。なんか肺病とか患ってそうで心配…

そして、プロローグの青年=回想の少年=黒筆…??

蔵の中で密かに交流を深める読書仲間らしきこの二人の逢瀬、すごく好きなんですけど。

なんだろう…とても美しい物語なのに、真相がそこはかとなく悲劇に繋がってる気配がする。

浦島太郎の章:

これまた、ビジュアルとストーリー的には映えるけど後味がスッキリしないおとぎ話の代表格…でも、竜宮城とても綺麗。

この話の主人公は、浦島太郎でなく乙姫様。
思いの外フレンドリーかつ旧知の知り合いなのが、やっぱり意外で不思議。(違和感ともいう)

黒筆くんも、何故か記憶を失ってる白姫をめちゃくちゃ自然にうけいれていて多くを語ろうとしないしなあ…

乙姫はどうやら浦島太郎に恋をしているらしく、彼を手厚いもてなしで引き留めようとして、結局は恋の執着で狂って徒花荒らしと化してしまったのですが…

ああ、愚かしくて哀しいけど、こういう解釈がつくほうが確かに納得できるかも(眼から鱗)

私が知ってるパターンだとそこまで明確な描写はなく、お礼と称して玉手箱で老化プレゼントする「異種族流のおもてなし意味わからんし怖すぎるね!?」な女の人でしかなかった。

またもや物語を正しきることは出来ず、白姫の自傷的な能力で無理やり乙姫にとって幸せな結末に改竄して継ぎ足すことで幕引き。

これ、やはり白姫と黒筆は現実で辛い目に合った誰かを慰める為に生み出された存在な気がする…

ちらほら挿入される現実世界(暫定)の少年と少女は二人にそっくりだし、彼らが語らってる古びた蔵は白姫達の拠点である徒花郷と激似だし…



うりこ姫の章:

あれ?これオリジナルどんな話だっけ??天の邪鬼が出てくる&あまりハッピーな話では無いのはうっすらおぼえてるけど…

今回はそのうりこ姫が主人公。そしてまたもお知り合いでめちゃくちゃ気安い態度で会話してくる。

うりこ姫が見た目に反して勝ち気で、黒筆君の過保護っぷりを揶揄するの可愛いです。

お伽草子の主人公達も黒筆も、みんな白姫大好きなんだなあ。わかる。白姫守ってあげたいし愛でたいよね。

…とかほのぼの和んでたら、急に不穏な空気になってうりこ姫がグロテスクに惨殺されてしまい「あわわわわわ!?」ってなりました。

ええええ、うりこ姫ってそんな話だっけー!?いや、思い出した。たしかそんな話だった!

半狂乱で彼女の死を嘆き拒絶する白姫を、静かに包み込み落ち着かせる黒筆君に少しドキッとしたんですが…

あれ、何だろう…黒筆、今すごく大事なこと言わなかった?
 
本音の中からさらに本音がにじみ出たというか、物語中で担ってる役割から初めて少しはみ出たような…??はて??

それにしても、徒花荒らしと化した天の邪鬼うりこ姫ちゃん、禍々しさと狂気がヤバい。トラウマホラー案件だから無限増殖すんのマジでやめて!?

ううーん…お伽草子のチョイスと登場人物の主張と徒花荒らしになる過程に、やはりとても大事な意味がある気がするんだけど、それが何なのか掴めそうでつかめない…

とりあえず、現実世界での少女が少年と離別して家のために婚約することを選んだのはわかった。

あと、物語の登場人物も現実にいる誰かがモデルになっていて、それが白姫のオリジナルである少女と縁がありそうなのも理解した。

うりこ姫のモデルは彼女の妹…いやでも、それだと今回の徒花荒らしとは繋がらないところがあるし…????

消化不良による後味の悪さと、先の読めないワクワクを抱えたまま幕引き。

事前情報を信じるなら、恐らく次が最後の章。さあ、一体どんな真実を見せてくれるのか…


????の章(桃太郎):

って、ええええまって、黒筆くんどこ行っちゃったのー!??(いない)

死ぬほど不安だし、白姫一人では物語を修正できる気がしない。万事嫌な予感しかない。

登場した桃太郎さんの爽やかヒーローぷりが眩しくて頼もしくて、白姫と恋に落ちそうな勢いでお似合いなんだけど…

何故か互いにものすごく線引きが出来てて、あるのは尊敬の感情のみ。まあ、物語のキャラゆえにそんな越権行為はしな…

(現実世界の回想シーンin)

…ああ!桃太郎さんは少女の婚約者が投影されてたのか。

お互い他に大切な人がいることを承知で、敢えて盟友として政略結婚するって言ってるけど…あっ、婚約者の人いきなり喀血した…

ああああ…そういうことかー!!!

わかった!これ酷い悲劇にして茶番だ。

きび団子とか鬼退治とかもうどうでもいい!たぶんこの話絶対にハッピーエンドにならない。

(案の定、惨たらしい死を遂げる桃太郎) 

桃太郎の死を引き金に白姫が全ての記憶(現実での苦痛)を取り戻し、徒花荒らしがなぜああも醜悪に描かれていたのかを理解した時に、たまらない気持ちになりました。

あれは、病に伏して死に向かう彼女の苦痛と孤独と恐怖そのもので、徒花郷は彼女がそこから逃避する為に見ている夢…

そっか…登場人物のモデルは自分の知人や家族だけれど、そこに込められた感情は全て「彼女自身」の執着や後悔だったから、色々とおかしな事になってたのか。
 
死に対する憂いや怒り、慕う人を引き留めたい恋情、私情を殺して家の為に責務を全うする決意…今まで通ってきた絵物語の意味がやっとわかった!

例え自分の弱さが作り出した幻だとしても、「彼」の面影がある黒筆だけは傷つけまいと徒花郷との別離を選ぶ白姫と、追いすがって最後まで彼女を命がけで守ろうとした黒筆くんの一連のやりとりが切なすぎて、涙腺が決壊しました。

違うよ白姫…たぶん彼女と君が知らないだけで、「黒筆」はありし日の少年から作り出した都合の良い幻なんかじゃないんだよ…

白姫への強い想いを胸に敢えて徒花荒らしに身を落とし、彼女が安らげる未来への「選択肢」を繋いで消滅した黒筆くん、なんて優しくて一途で美しいの…

ていうか、待っっって。ここで出てくる選択肢で迫られる「選択」文字通り死ぬほど重くないです???

どのみち彼女はおそらく死から逃れられないし、このまま夢の中にいたら…黒筆くんにまた会える?いやでもきっと、現には「彼」が…

昨今のノベルゲームでは、単なる分岐スイッチやフラグ数値の積み重ねとして処理されがちだったので、こんなに真面目に悩んだの久しぶりでしたよ…

現(帰還失敗)エンド

ええっと…実はここまでのプレイ、無意識のうちに「物語を本来の筋書きに正すこと」に重きを置いてプレイして、物語を不完全な形で強制終了させてたらしく。

明らかに消化不良な終わりにも関わらず、それすら想像力が刺激されて楽しかったので、何故かリロードして別の選択肢試そうかって気にならなかったんですよね…

(そして、普通ならバッドエンドで止まりそうなものなのに、このゲームはそのまま進められてしまう)

結果、見事に全章ハズレ選択肢(!)を選んでしまってたらしい私は、「ああああー!」「ううううう…」「えええええ!?」と、呻いたり喚いたり悶えたりしつつ、とりあえず現実への帰還を望みました。

結果:呻きながら泣き崩れた。

ウッ…つら…つらい…これ、確実に私が選択を間違えたせいだ…ごめん…ごめんなさい!!

「現」を認めるには、あと一払い分の墨が足りないー!!

苦痛と孤独に満ちた終わりを迎えた彼女と、何もできないまま望まぬ形で看取った彼の無念と後悔が半端なく胸を刺す!

行きずりの旅客に懺悔めいた言葉を残して立ち去る「彼」があまりに哀しい。これたぶん、後追いしてますよね…?

寂寥感と無力さで胸が抉られてスッカスカになるやつでした。

悲劇として帰結する物語としてはこの上なく美しいし、ある意味現実的だけれど、いやだ…こんなの辛すぎる…!!



夢エンド

…というわけで、すがり付くような気持ちで夢で生きることを選択。

先ほどの悲しみも相まって、死の恐怖からの逃避を選んだ彼女の選択は正しかった…と強く思える、儚くも美しい救いに満ちた結末でした。

物語や空想は、時に死の苦痛と恐怖すら和らげる力を持つ。

徒花に例えられていた白姫と黒筆が積み重ねてきたものが実を結び、形をなしたのがとても尊い。

桜の木の上から黒筆が手を伸ばして再会を果たすシーンはため息が出るほど綺麗で、まさに夢のようでした。

確かに、現実に遺された彼を思えば哀しい…けど、彼は信念の元に最善を尽くして彼女を救ったし、間違いなく幸せに満ちた最後だったと思います。

徒花郷では「白姫」と「黒筆」の物語がこれからも続いていくんですよね…こんなに優しくて眩しい結末が間違いなはずがない。
 


現エンド

きっと、これは最上の幸せに繋がる結末になる…なる、よね??

と、ノベルゲームの真骨頂、結末を選択できる喜びをかみしめながら最初からリトライ。

すごい!「物語を幸せな結末に修正、改竄すること」によって得られる心地よい幸福感が半端ない!

この物語の目的は、筋書きを正すことではなく、ただひたすらに「彼女」の心に向き合い安らかな救いをもたらすこと。

初回プレイで読んだ物語と全然印象が違いますねこれ!

物語の色に染まり、確かな意思を持って使命を全うする白姫と黒筆めちゃくちゃ綺麗。

特に、浦島太郎の話は初回時とは全く別種の物語として幕を引いていて、とても清々しい読後感でした。

条件を満たしたことによって追加される、現実での少年と少女の心を交わし合うエピソードによってさらに鮮やかに彩られていき…

欠けていたピースが嵌まって、物語が明確な像を結んで形になっていく手応えが心地よすぎて恍惚となりました。

なるほど。逃避もまた1つの正解ではあったけど、「彼女」の願いと苦しみを理解した今、各章で本当の意味でその心に沿う選択は確かにあっちじゃなかった!わかる!!って、一人で大興奮してました。

構成があまりにも巧みすぎる…ライターさん天才かな…

でも、きっとこれなら大丈夫。「馬鹿馬鹿しいくらいの幸せな結末」を迎えるための奇跡が起きるはず…!!

そんな期待と確信を後押しするように現れた「恋」の文字が足されることで扉が開き、死に至る病の苦しみと絶望に抗いながら現実へ帰還する白姫の決意と、背中を押す花さかじいさん達の想いが、とても眩しくて綺麗でした。

何より、病床につく彼女の傍らで少しでも苦痛を和らげようと、黒筆として物語を紡ぎ語り続けていた「彼」が漏らした独白が…

「おれは 君が好きなんだ」

…よおし、そろそろガチで泣いていいですよねこれ。なんなら涙腺と一緒に崩壊した鼻もかみたい!(台無し)

そんなかんじで涙でグッスグスになりながら迎えたエピローグで、彼女と彼が言葉を交わす場面が見れたのがもう本当に本当に幸せで。

しかも、てっきり奇跡は一瞬であの直後に死に別れたのかと思いきや、ちゃんと添い遂げて数十年夫婦として過ごしたって!!

ああああ…良かった。良かったねええええー!!

生まれゆえの不自由な責務を受け入れる強さがあった彼女と、望むものを手にする為なら道なき道を切り開こうとする強さがあった彼の、絵草紙が繋いだ優しく美しい恋物語…

お話がもつ底力とノベルゲームゆえの醍醐味がぎゅうぎゅうに詰まってました。感無量…

現実の彼、黒筆くんとは違い(?)なかなかに強かな食えない青年に育ったみたいですが…

物語好きな所と彼女に対して死ぬほど一途なのは変わらないみたいで、その差異と共通点にニヤニヤしました。

自らの有能さを売りに名家の養子になって、初恋のお姫様(華族)を迎えに来ようとしてたなんて、愚直で計算高くて最高ですよね。

いやまあ、このエンディングだからこそ言えるんですけど。

誰かー、私とおまけのお伽草子(現)みて一緒に悶えてー。彼視点の補足とても好き。


余談ですが、作中に出てこなかったけど、この二人はなんて名前だったんでしょうね…??

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