音の葉おれんじ

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zoom RSS 灰鷹のサイケデリカ  プレイ感想 その二

<<   作成日時 : 2017/06/21 23:37   >>

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ネタバレ含む感想ですが、ちょっとだいぶ辛口度がアップしております。


・本編シナリオについて

シリアスだろうとコメディだろうと魔女が題材になっているお話が大好きなうえ、あのサイケデリカの新作!という事で楽しみにしてたんですが…相変わらず良くも悪くも乙女ゲームらしくない仕様が山盛りで、世界観や登場キャラが本当に魅力的でした。

なんかこう…手触りのいい上質な皮の表紙で製本された海外ファンタジー小説を読み進めるような手応えがあって、あっ、なんかすごい面白い本読んでる!みたいな充実感というか…(例えへたくそか)

ジュド君が赤い瞳を持つ魔女である秘密を周囲に隠し男として暮らしていること、二つの一族が派閥争いをしてるという緊迫した現状、カレイドヴィアの紛失や黒い影による殺人事件など…厄介ごとが山積みでとても先が気になる構成。さらに、エルリックとロレンスの存在がとても意味深。

実は黒蝶の彼ら(らしきキャラ)が出ると知った時は、灰鷹のキャラや本筋が霞んだりしないかちょっと心配してたんですが…そのへんは杞憂でした。もちろん、前作との関連性はかなり気になるし、二人の言動が逐一グサグサ刺さるものの…彼らはあくまでイレギュラーなゲストであり主役はちゃんとジェド君でした。

そして、そういった諸々の仕込みに一瞬ごまかされそうになりますが舞台となっている街とその住人の皆様、密かにとてつもなくおかしかった。

ジュド君の何でも屋としての活躍を見ているのは楽しかったし、恋愛要素もちらほら交えて登場人物たちの掘り下げも兼ねて話が進んでいくんですが。カレイドヴィアの探索が本題のはずなのに、さりげなく目を覆われ遠ざけられていく感覚というか…手に入るのはどこか焦点がぼやけた情報ばかり。

ちいさな疑問や不自然さが徐々に積み重なって無視できないくらいの違和感になっていくので、これはとんでもない衝撃の展開がくる予感!と身構えながら進めていたんですが。

「親御さん達がちょっとヘビーすぎる愁嘆場を繰り広げたせいで、実は最初からこの街思いっきりサイケデリカです。現状維持するかカレイドヴィアを起動して開放するか、相談してどっちか選んでください」


……… マジですか。


確かに、それを予想できるだけの伏線は仕込まれていたんですが。魂が囚われて時間と記憶に歪みが生じているだけで、蘇生は可能なのかと思ってたからかなり驚いたというか…想定してた話よりだいぶ本気で救いがなかった()

あまりに容赦がなくてのたうちまわりそうなくらい絶望したし、ミスリード含めた伏線の消化の仕方が衝撃で謎が明かされていく過程はかなり面白かったです!

でも、このまま歪みを受け入れて魂を磨耗していくか、潔く成仏するしか途がないって相当酷だなあと。しかも、こんな状況に陥った原因が親の過失!自分達の咎でもないのにけして覆せない悲劇。いやだ!どっち選んでも辛すぎるし、完全に詰んでる!!

始まった時点ですでに終わってしまっていた物語で、ジュド君がこうも理不尽な選択を強いられてもがき苦しむ事にどれほどの意味と価値あるのだろうかと、暗澹とした心持ちになりました。


・少女エンド

これこそが、この物語の最上の救済であり正しい幕引きだったと思っています。

諸々の恋愛フラグの酷さに目を瞑れば…というか、ルーガスと恋愛する仮定で進めたとすれば、本当にため息が出そうなほどドラマチックで美しい物語でした。敵対する相手との恋愛とか卑怯です。あと、ルーガスの単騎独走状態の美味しさと揺るぎのなさは反則ではないかと。

(ちなみに、私は初回にラヴァンから攻略しようと思ってたせいで思い切り地雷を踏み抜きました!)

自分は魂すら救済されないと知りつつ、せめて心を通わせた相手に殺される事で悲劇を終わらせようとするジュド君の決意と願いの潔さ。そして、その願いを受け止めて叶えてあげた上で、きちんと彼女を迎えに行くルーガス。どっちもめちゃくちゃ格好よかったです。

誰もがしがらみに囚われ翻弄されるだけの駒だったのに、ジュドだけが唯一終わりを選べる資質を持ち合わせていて、ルーガスが彼女とさらにその先へ進む役割を担ったこと。
素敵過ぎるWヒーロー(違)タッグの意思の強さにひたすらときめいてました。

今生ではけして結ばれないという哀しさとか、ラヴァンやレビの心情を思うと無性に叫びたくなりましたし、黒蝶のあのEDに繋がる演出も交えてヒューの語りでしめられた結末はとても綺麗で感無量でした。

あの…でもだからって、何でもかんでも現世に転生して再会できれば全部帳消しでハッピー!!っていうわけではないと思うんですよ。この結末、本気で賛否両論でプレイした人によって抱く感想とか全く異なるんだろうなー…

ゲームの醍醐味って選択や分岐を取り入れることで、可能性が無限に提示できる事(いや、現実問題として予算も納期もあるでしょうけど)だと思ってるので…もうちょっと別の結末も用意しておいて欲しかったなと心底思いました。

ロレンスやエルリック君がいたからこそ、諸々の楽しさとしんどさを味わえたのは事実なんですが、変に前作と関連づけて締めようとしたせいでこうなってしまったのなら、いっそもう完全に独立したスピンオフで良かったかもしれない…

マスカレイドあたりまでのあの生き生きとした躍動感あふれるジュド君達の生活が、狭間の世界で繰り広げられていた茶番だったなんてあまりに虚しいし勿体なさすぎる。

だって、もとから現世っ子だったアイちゃん達や、一応日本人だった緋影くんはともかく…灰鷹の彼らの魅力って、あの環境下で生まれ育って積み重ねてきた苦悩や志があるからこそですよ。

制服着て高校に通うエアルやルーガスとか、ほぼ別人じゃないですか!!

ルーガスなんて金髪(いや、アッシュブロンド?)だった髪が黒色になってたし、肌なんてどうせもとから地黒+部活で日焼けしてるとかの設定なんでしょうけど…なんかスチルで見ると誰よこの人状態。大変遺憾でガッカリでした。ラヴァンとレビなんてちょっと小粋な演出の通行人扱いだし。

そういえば、ラヴァンが今さら弟が出来るかのような話をしてましたけど、ご両親はやっぱりフランシスカとエイプリルなんでしょうか。現世でも何らかの原因で夫婦仲冷え切ってたけど、無事に氷解した結果レビが誕生するとか…?

…と、普段の私なら多少は考察やら妄想やらをしてみたりするんですが、灰鷹に関してはこれで完結だというのなら、別にもう何でもいいと思います。(ごめんなさい)

「一つの物語の終わりを見届けた」という満足感はあったんですが、乙女ゲーム的なキャラ萌え要素は中盤以降からの衝撃の真相解明で概ねふっとんでしまいましたよ。


・ラヴァン・レビエンド

ジュド君(エアルちゃん)、普段は性別を偽って困窮生活してるせいで、恋愛に鈍感だったり強引な押しにやや弱いところも嫌味がなく好感を抱けたし、過酷な運命に屈することのない強さが本当に格好良かったんです。

が。

八方美人とか頭とお尻が軽いのを通り越して、昨日の自分の言動すらおぼえてないサイコパスヒロインみたいな恋愛を展開するのマジでやめて欲しかった!せっかくの魅力が大幅減…

私はさほど引っかからなかったんですが、ルーガスとのキスが共通でデフォルトで発生する辺りからしてわりと問題な気がする。

そして…狼一族の兄弟の派生エンド。なんですか、あれ。

どうせもう死んでる+魂の救済を諦めないとEDが見れない+元から彼らの設定が闇という3コンボのせいで…こんな状況で恋愛する意味あるんだろうかと思ってしまうくらいの報われなさにいろんな意味で泣きたくなりました。

ラヴァンエンド:兄弟として育っていた相手から保護の名目で結婚を申し込まれただけなら、この展開は有りというかむしろ自然だったとは思うんですが…教会での一夜イベントが綺麗さっぱり無かった事になってたのなんで。

こちらとしては一応手順を踏んでフラグたてたつもりなので、もっと公明正大に幸せ満喫してくれてもよかったんですけど!?なんかもう、二人そろってよくわからない遠慮で空回りしてて、どう反応すればいいのか…

ラヴァンの一途な報われなさがデフォルトで気の毒だったり、ルーガスの引き際の良さが相変わらずの格好良さだったり、仲人としてハイタカさんがお仕事して、最終的に一応両思いになれたのはまあ…良かった…の、かな??含むものがありすぎる!!!


レビエンド:なんだろう…こう…レビみたいなキャラかなり好きなんだけど、重たい!しんどい!!(笑)

これ、殺戮衝動が本人の意志と反して勝手に…!とか、ラヴァンや一族の為に仕方なく…!とかでも、話の進展に支障はなかったと思うんですが。何でわざわざ正気の状態で「殺すの楽しい」とか明言するような闇が深すぎるキャラにしてしまったんですかね。

いや、ええっと…エイプリルの獣の心が受け継がれたという設定だったので、筋は通ってるんだと理解はしてるんですが。そもそもそれ自体が説明不足で…獣の心って結局なんだったんだ!?という。

たまたまエイプリル少年が人として狂っていたのか、狼の一族には元からそういう因子が受け継がれてしまうものなのか。しかもそれをカレイドヴィアに魔女が封じたとか言われても、観念的すぎてピンと来ない。

二つの一族と魔女との関りの起源が曖昧なままだったのも残念です。魔女を殺してもまた一族の中に魔女が生まれてくるっていう逸話…あれはオルガ達より前の世代のお話なのか、ただの創作だったのかわからない…いやこれは単に読み込み不足なだけかな。

(あ、レビから話がそれた)あの牢屋で裁きを待つ時のレビとジュドのつかの間の逢瀬、哀しくてやりきれなくてとても良かったのですが。

「ぶっちゃけもう死んでるんだし、贖罪とか追放とかいまさら別にどうでも…」みたいな無に近い気持ちになってしまって、正直どう受け止めればいいのかわからなかった。レビごめん。


狼の兄弟エンド:ラヴァンとレビの闇設定が物語として100%余すことなく活かされていたのは間違いなくこちらだと思います。もう、後味最悪だし救いがなさすぎてめっちゃ興奮しました!!(人でなしか)

兄は恋に狂い、弟は血を求める、でしたっけ。この二人、物語の悲劇性を盛り上げる為のバッドエンド&本命には叶わないライバル要員としては素晴らしい活躍をしてくれてました。でも、それ以外の部分だって魅力がたくさんあったんですよ…

偽りの生を甘受することを選べば泡沫の幸せしか得られない、というのは確かに理にかなってるし、それゆえの味わいは確かにあったんですが。それとこれとは別というか…

小説や映画なら「ああ、彼らはそういう役回りなんだな…」で納得できたんですが。これ乙女ゲームですからね!?本命以外のキャラだって救済できるのが利点なはずなのに、この扱いはどうなんだろう。

普通に彼らと恋愛して幸せになれるような別シナリオを望もうにも、色んな設定が邪魔をしているせいで「どうやっても無理」っていう回答にいきつくんですよ…来世にすら希望を繋ぐことが出来ないとか、何これ辛い…!


・旅人エンド、塔の主エンド

どちらもとても虚ろで幻想的な結末でした。正直、「これは旅人(ハイタカ)への救済だ!」と感じるほど双方のキャラに思い入れ(というより同情する余地)がなかったので、ジュドが諦めてしまったことによる派生バッドエンドな認識です。

基本的な設定を踏襲するとなると、バッドエンドの方が美しく思えるあたりほんと罪深いです。


・ルーガスエンド

これ、どっちかと言うとオルガパパエンドではないかと。うーん…全員死んでるという前提さえ無視すれば、すごい燃えたし泣けたんですけど…せっかく生かしてくれても結局末路はアレなんだよ!!という。

オルガさん、親世代の中では一番真っ当な人だったんですが…いかんせん色ボk恋は盲目すぎたので…いや、本来なら微笑ましいだけで何ら責められる謂れはないんですけど。あの状態で妹と親友を放置したのは大失態ですよね。ヒーローになれそうでなれなかった人。

あとルーガス…本来彼ほどのスペック(?)なら、エアルちゃんを日陰者なんかにせず、ラヴァン並に公明正大に周囲を説得して真っ当に幸せにしてくれそうな気がするんですが。まあ既に他でじゅうぶん優遇されてますもんね(笑)


・ヒューエンド

旅人であり傍観者であり語り手。美味しいけれど掴みどころがなさすぎて、攻略対象ではなくチートな第三者という印象が先に来てしまい、恋愛模様に感情移入するには至らなかったです。そもそも短いですしね!!(禁句)

我らが主人公であるエアルちゃんを途中でかっさらってただの恋愛物語として無理やりねじまげたー!おめでとうございます!!くらいの感慨でした(こら)

どっちかと言うと、旅人エンドの終わり方のほうが好きかもです。

しかしヒューさん…エイプリルに殺された魔女のお供の鷹だってだけで、何故ああも彼が不可思議な存在になったのかとか、腕にあるクレマチスの紋様は結局なんだったのかとか、いろいろ理解できてません。

(クレマチスの花言葉が旅人にまつわるものだとか、黒蝶で望遠鏡を緋影くんに売った人だっていうのはわかりました)

あと、誰だったか忘れたんですが、ヒューの腕を見て紋様をリコリスだと言った人がいたのなんでだろう。見る人によって違う花に見えたりするのか、ただの見間違いなのか…


・親世代について

キャッチコピーの「破滅に隠された優しい愛の物語」をフランシスカ達の事を指しているんだと解釈しての話になるんですが。え、あれ優しさか…?と本気で首を傾げています。むしろ親としても人としてもエゴの塊だったような(すみません)

前作から引き続き「サイケデリカに取り込まれた人達による覆せない悲劇」を描く作品であり、そこに至るまでのギミックとしてジュドの親達の未熟さが必要悪だったのはわかります。

そもそも…発端が実はカレイドヴィアにあって、たまたま彼らの負の感情が増幅されて起きた事故だったのかもしれないので、これに関してはどうあっても変えようのない過去なのでしょうが。

結局は相互理解を怠った結果、壮大にアホらしいすれ違いによりとんでもない修羅場に発展したあげく、子供達(と住人)にしわ寄せが全部いって尻拭いさせたって話なわけで…そんな美談みたくまとめられても同意しがたい。

「お門違いな嫉妬でフランシスカに殺されたけど、娘を自分達の良いとこどりな立派に人間に育ててくれて、最終的にみんな転生できたから大団円!オルガとアリアの魂も無事に再会できました。めでたしめでたし」って…

いや、結果だけ見たら確かにそうかもしれないけどさあ…!?普通人間は死んだらそれでおしまいなので、現世での絆とか生をもっと大事にして頂きたい。

「子供の幸せとか未来を願う前に、産み育てる立場にある自分達の現状を省みて改善する努力くらいしろ!!!」と全力でツッコミ入れたかったです。腹割って話し合いするか、ちょっと注意を払ってれば改善できただろうというお手軽案件なので、余計にもどかしさとやるせなさが募る。

何だかんだで全員憎めないので、出来れば彼らにはもっと真っ当な形で幸せになってほしかったなーと思います。


〜総評〜

(何度も重複してしまって申し訳ないのですが)本当に面白かったです。魔女を題材とした悲劇としてはよくある内容で、さほど真新しさはないはずなんですけど…乙女ゲームとしては相当攻めてる作品だと思います。黒蝶よりさらに色々とパワーアップしてました。

あー!灰鷹のサイケデリカめちゃくちゃ好き!!でもこうじゃない結末も見たかったんだ…でも、だからこその面白さと切なさと衝撃があったわけで…いやでも…と、賛否両論がセルフ無限ループになる作品でした。










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