音の葉おれんじ

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zoom RSS フェアリーテイル・アンコール プレイ感想

<<   作成日時 : 2017/07/10 21:38   >>

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フェアレクFDの感想です。そんなにボリュームは無かったので、シンフォニーも一緒に。


いやー、アンコール&シンフォニー最高でしたー!!!


〜さあ、かかとを鳴らしましょう〜

イケノさんと生前のドロシーのお話!

童話作家になりたいという夢を大病院の院長である父親に無残に踏みにじられ、鬱屈を抱えたまま惰性で医者の道を歩んでいたイケノと、お伽噺症候群の患者でありながら、病床の身で「ドロシー」を演じることすらままならなかった少女。

二人が出会うことで起きた「フェアレク」ならではの奇跡と、そこが「楽園」であったゆえに彼女を襲ったあまりに残酷すぎる悲劇とその結末…最高の掌編だったと思います。これを見れたというだけでこのゲーム買う価値ある…

パペットを繰りながらかかし達を見事に演じるイケノさんに勇気付けられ、起き上がって外に出られるようになったドロシーの交流と旅の様子が微笑ましくてまぶしかったです。



実際には施設内の庭園をぐるっとお散歩してるだけの、他愛のない子供の空想遊びなわけですが。その稚い無邪気さと痛ましさ含めて最高で。お伽噺の一節そのものな完璧な美しさがあって、見ているだけでほっこり幸せな気持ちになれました。

…からの、安定の胸くそ展開による悲劇。うん、大丈夫。わかってたし知ってた!!(ヤケ)

イケノさん…あなたのお勤め先マジ腐敗した魔窟で伏魔殿だから…ドロシー置いて外出なんてしたら、彼女は頭からバリバリ美味しく食べられちゃうんだ…

「楽園の顧客」による搾取がドロシーの病魔に冒されていた心身を致命的に引き裂いた事も、彼女が叔父夫婦に死を望まれていたことにも全く気づかないまま、イケノさんが最悪のタイミングで彼女に現実への帰還を促してしまうあの下り、悶え転がりたくなるくらい切なかったです。

旅立つ彼女とそれを見送るイケノさんの今際のきわのやり取りがまた秀逸で…あまりに哀しくてやるせなくて、本気でボロボロ泣いてました。

普段の私だったら「このヘタレ節穴野郎!!」とイケノさんの胸倉つかみあげたくなったかもですが(すみません)ライターさんの心情描写がとても上手だったせいか、彼のあの甘っちょろい純真さと未熟さは何故か憎めないです。むしろ好き!

ドロシーを失った哀しみと自責の念に囚われて虚脱状態だったとはいえ…楽園の異常性に第三者から弾劾されるまで気づけなかったとか、本当にどこまでも盲目すぎて罪深いわけですが。

夢を壊され子供の心を持て余したままだった彼が、今度は永遠に叶わなくなった恋の残滓を抱えながら抜け殻のように生きる姿は、なんかこう…「イケノさんお伽噺症候群の予備軍なのでは…めっちゃ素質あるよ…?」みたいな痛々しい危うさがあり、とても良い…(こら)

願わくば、物語の王子様のような慧眼と勇敢さで彼女を楽園から連れ出してあげて欲しかったとは思うのですが。そう出来なかったやるせなさとか諸々ひっくるめて、ドロシーちゃんとイケノさん最高でした。

そんなわけで、相変わらず胸くそ要素は絡んでて「なぜこの美しく完璧なフェアリーテイルにこんな許しがたい汚物を混ぜた!?」という憤りと困惑は相変わらずあったものの…

楽園がどういった場所なのかを理解した上で、過去に起こった悲劇だという認識と覚悟が出来ていたのでレクイエムプレイ時よりはサラっと流して「物語」として受け止められた気がしました。


〜あなたの瞳さえなければ〜

オディールとオデットのお話。

ぶっちゃけ、レクイエムで明かされた彼女たちの心情や言動にはほとんど共感できなかったんですけど。二人の関係性やお話はとても面白くて魅力的だったと思います。このエピソードも然り。

歪んだ愛憎にまみれた双子姉妹だけれど、根っこのところはとてもシンプルでお互いが何よりも大好きで大切なだけというお話。人殺しするほど拗らせるまえに、もっと素直になって仲良くしなよ…と思わなくも無いんですが。双子にまつわる愛憎物語って、なんでこうも絵になるのでしょうか。

眼が見えない姉に、彼女の理想の王子様を演じて接する妹。なかなかに背徳的な雰囲気があり、百合好きな方にはたまらないと思われるのですが…オディールほんと男前で格好いいな。

彼女があくまで「妹」であり、それ以上でも以下でもないという現状がもうどうしようもなくて最高で最強です。ダークヒーロー系王子としてのポテンシャルが高すぎる!

姉を単純に恋愛や性愛の対象として欲しているわけではなく、侵しがたい聖域みたいな崇拝と憧憬と憎悪を抱いているあたり…なんかもう、相当こじらせてるんですけど。もしオディールが弟だったり、姉だったりしたなら、また少し違った関係になっていたのではと思ったり。

こんなに大切にしているお姉さんを、本編でぽっと出の少年にかっさらわれた日には、腸煮えくり返って怒髪天をつく勢いだったのも頷けます。


〜絵のように美しい〜

ラプンツェルのお話。

彼女は相変わらず幸薄くて美しくてアダルトだったんですが…まさかのモブが王子様だった。

あああ、よかったー!!彼女にもちゃんと王子様いたー!まともなモブ医師がいたー!しかも、イケノさんのお友達ー!!

まあ、詰めが甘くて頼りないところまでイケノさんそっくりだったんですが…(苦笑)イケノさんと違って彼はまだ間に合いそうなので、是非あのまま迎えに行って襲い来る残酷な現実から彼女を少しでも守ってあげてほしい…そして、出来ればイケノさんの力になってあげてほしい。

ドン・キホーテは言いえて妙だと思います。

彼から捧げられた絹糸を、心を守る最後のおまじないか何かのようにそっと髪に編みこむラプンツェルさんがいじらしくて最高だったので…救いが用意されていて本当に良かった…

少年とも普通にお似合いだと思ってたんですが、彼にはゲルダちゃんがいますしね。


〜窓の外は吹雪なのに〜

少年とゲルダのお話。

関係性としてはすごく素敵だな、と思っていたものの、なんか諸々淡白すぎたせいであまり萌えなかったお二人の掘り下げエピソード。

いくら記憶が混濁してたとはいえ…正直好きな子があんな酷い目にあってたにしては、レクイエムの少年の反応はやや他人事で薄情すぎた感があったので、こういう補足があるのは嬉しいです。

途中まで話の意図が読めず、まさかまた酷い目にあっちゃうやつか!?と身構えていたのですが、最終的に彼女の傷を癒すための物語になっていてホッとしました(笑)

個人的には、相変わらずR要素はいらない子ではないかと思ったんですが。この子達何歳なんだっけ…?少年もゲルダもあまり性的な匂いがしないので、すごく似合わない。


〜あの子の秘密の忘れ物〜

「私の本当の願いを叶えてくれてありがとう」と彼に言い遺して息を引き取ったドロシーの、その願いの解答編。

ひ た す ら に し ん ど い 。

これ…イケノさん視点でみると最高に美しくて残酷な「だけ」の答え合わせなわけですが。プレイヤー的にはそうではない事がわかっているので…ほんとやりきれない。

彼女の願いを叶えられた誇らしさと、自責の念が濁流のように襲ってきて慟哭してるイケノさんが未だに彼女を襲った悲劇の全容に全く気づいてないという事実がシンプルに胸を抉ります。

優しくて繊細なイケノさんが、あの残酷すぎる真相を知った後にどれほどの絶望と憤りを抱いたのかと思うと、ほんと背筋が冷えます。きっと、なりふり構わず死に物狂いで楽園を潰すことに尽力したんだろうなあ…父親にきちんと歯向かえたのでしょうか。

ううっ…イケノさん…ドロシー…幸せになって欲しかった…


〜フェアリーテイル・アンコール〜

大人になった彼らが切り離して埋葬した、おとぎばなしの残滓達による物語の再演と真の終幕。

イケノさんがその後どういう風にドロシー(幽)とお別れをして、どんな風に戦ったのか。少年たちはどうしているのか。そういうお話が少しでも見れるのではと勝手に期待してたのでガッカリした反面…まさか、こんなに素晴らしい形で物語をしめくくってくれるとは思っていなかったので、すごく感動しました。

ちょっと短すぎるなとは思ったし、せめて「彼ら」が全員集合している一枚絵が是非欲しかったという残念さはあるんですが…本当に素晴らしかったです。

何とも言えない寂寥感と温かくて心地良い余韻で胸がいっぱいです…あああ、フェアレク最高だ…



〜フェアリーテイル・シンフォニー〜

本編+FDのお得パックという認識で購入したフェアレクなんですが、開封したらもう一枚ディスクが付いていまして。え、これなに?まさかのFDのアペンドディスク…??まだ彼らのお話が見られるの…???

と、アンコールプレイ後に疑問だらけでインストールしたんですが。

冒頭からいきなり新キャラ出てくるわ、コック○さんやりだしてやたらホラーだわで、状況がさっぱりわからない。そしてようやく少年が出てきたと思ったら様子がおかし…って、これはもしや…??

ま さ か の お に い さ ん !!

ここに来て、彼の兄が主役ジャックしてくるIFストーリーぶち込んでくるとか、フェアレク本当に最高すぎる。本編終了時、ドロシーとイケノさんはもちろん、少年の掘り下げもちょっと足りないかなと思ってたので大興奮でした。

彼とは何もかもが真逆で正反対なんだなーとしみじみ実感できたし、でも双子だけあって意外に根っこの部分は似通ってる気もしたり。その対比が本当に面白かったです。主役入れ替えトリックに加えてホラー&ファンタジー要素など、短いながらも濃い内容で大満足でした。

少年(兄)とオディールとの仮染めタッグが見ててとても楽しかったです。恋愛的な意味ではないけど、すごく似たもの同士で良いコンビ!

オディールは「姉」、少年兄は「自分の興味を満たすもの」…それぞれ対象とボーダーラインは異なってるとはいえ、自分の中に譲れない確固たるものがあって、それ以外に関してはわりとあっさり斬り捨てられる…みたいな冷徹さはわりと好き。

あ、でも少年も似たようなものか。基本優しいし良識派とはいえ…自分は「妹」を守る為に生きてるから、余計なものは抱えたくないので「コドモの自分には手におえない」と思ったらわりとあっさり保身に走ってた気がする。

双子兄弟が再会したあと「ここヤバそうだから、これ以上ゲルダが深入りする前にさっさと離脱させるぞ」という思惑をアイコンタクトだけで済ませたり、無法者な兄がゲルダには全く相手にされずただの当て馬になってたの、とてもニヤニヤしました。

ゲルダと少年、今までで一番恋仲っぽくて可愛かった(笑)

少年が「僕ではこうはいかなかった」と言っている通り、確かにこの物語は彼だからこそ無事に誰も喪わずに楽園から脱出することができたのかもですが…

どれだけカリスマ性があろうと、ノリで弟に首吊りの真似事させてゲラゲラ笑ってるような人とかドン引きなので、正直ちょっとお断りしたいかなー。レクイエムの主役が「少年」の方で本当に良かったと思います。

しかし…兄の見解を鵜呑みにすると、少年は本来なら兄とスペックがそう変わらないのに、あえて日陰者の役割を買って出て家庭内のパワーバランスを保ってるって事なんでしょうか。この兄弟の普段の生活、もうちょっと見てみたかったな。

あと、アリスちゃんやっぱり最強のヒロインだなあとしみじみ実感したり。不思議な法則に守られてますよね。ちょっとした程度の魔法なら使えるのかと思うくらい、おとぎ話の世界で遊ぶのがとても上手だった。

楽園離脱後に、世間に奇異で哀れな子供達として晒される彼女達が幸せでありますように…!!と願いたくなるくらい、本当に皆していい子達でした。


※蛇足のアレコレ

しかし…アンコールからレクイエムに至るまでは、そこそこの時間経過が(少なくとも数ヶ月以上は)あったように感じたんですが…楽園の胸くそシステム的に、こうも少人数制の娼館でその間彼女達が手も付けられずに安穏と過ごせていたとは到底思えないので、その辺りの諸々の都合のよさはちょっと引っかかりました。

いや、実際に酷い扱いを受けてボロボロになってほしかったとかでは断じて無く!むしろ心の底から良かったと思ってますが!あの胸くそ悪さほんとしんどかったので、中途半端に都合の良い流れにされると、逆にモヤモヤしてしちゃって…(すみません)

顧客を焦らして値を吊り上げてたとか、実は洗脳好きの医者が意外と実権をもってて彼の気が済むまでは患者に手を出させないという約定があった…みたいな仮定でスルーすればいいのでしょうか。

あと、残酷描写としてのモブ医師とのアレコレは避けようがなかったとしても…「男性向けだしとりあえず主役とヒロインのシーンも入れとこう」みたいな雑なR18要素に関しては要らなかったかな、と。※個人の感想です

正直にいうと本編終了時は衝撃の展開に心が消耗しすぎていて「いや、そんないまさら最後だけ綺麗にお伽噺として取り繕われても…」という戸惑いの方が強かったんですけど。

すこし落ち着いてから見返すと「幼年期の終わり」を告げ大人になる為の告別の儀式としては、本当に最高に皮肉がきいていて洒落ているなと思いました。ゲスいエロゲ要素と美しい童話部分が融合した結果、余計にグロテスクに仕上がっててまさに「大人向け」のおとぎ話でした。

色々とヤバい要素がありすぎるので、全年齢版には出来ないかもですが…もうちょっと表現緩和してくれたらもっといろんな人に手にとってもらえそうな気がするので、その辺りはやや勿体無いなあ、なんて思ったり。

該当シーンを、おとぎばなし風に「ヒロインが魔物に襲われてます」くらいの暗喩にさしかえてくれたら、ホラー感と狂気がアップしてまた違った作風として味わえる気がするんですけど。そもそも、楽園の設定自体が倫理審査にひっかかるのかな。

そんな与太話はさておき、フェアレクとても面白かったです!










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